布が苦手じゃなくなる『Blenderで深紅なシルクの作り方』【頂点の質量、空気の粘性、剛性を理解しよう】
ワイングラスに赤いシルクの布がかけられている様子です。
3Dの授業で作ってみましたみたいな布だな…
あら、嫌なこと言うわね
もっとタオルとかカーテンとかTシャツとかデニムとかカッケエの作りてーんだよ!
そのためには基本をおさえなきゃね
目次
step1.布の元になるメッシュを設定する
平面にループカットでたくさん分割を入れましょう。
分割数が少ないと重力を受ける頂点が足りなさ過ぎて、布としてまともなシミュレーションにならないのです。
step2.クロスシミュレーションの設定をする
布メッシュにクロスを設定
セルフコリジョンにチェックを入れましょう。これは「自分自身(ここでは布自体)とぶつかる現象」をちゃんと計算させる設定です。
ここで気を付けたいのは、もし布メッシュに「サブディビジョンサーフェス」をかけていたら、それよりも上の階層に「クロス」を位置づけなきゃいけないって点よ
この上下関係が逆になっているとシミュレーションがうまくいかない場合があります。
ぶつかる側のオブジェクトにコリジョンを設定
ここでは別で作ったワイングラスとぶつけます。
グラスオブジェクトを選択して、「コリジョン」をあてがってみましょう!
布オブジェクトをワイングラスの真上に設置しましょう。
step3.再生してシミュレーションの様子をチェック
この段階ではまだだいぶ固いイメージですね。
かってー布!
さ、先にシェーディングしましょう
step4.布らしいシェーディング設定とは?
このままではまだ雨合羽のような固い布に見えますね。
シーンビューのままではなく、レンダリングも随時試して設定を見直してみましょう。
布の種類を選択
クロスメニューの右側で布の種類を選べます。
・コットン
・デニム
・レザー
・ラバー
・シルク
ここでシルクを選びました。
ちなみにラバー(ゴム)を適用すると…
この形ッ!すごく弾力性がありますね!
材質を絹に設定したのはいいけどよ、グラスに乗ってる形がシルクっぽくないんだよな
今度はシミュレーションの設定をいじってみましょ
step5.布らしいシミュレーション設定とは?
クロスシミュレーションの設定をいろいろいじっていきましょう。
たくさん項目があるな!
ここのサイトさんでとても詳しく解説されています!
減衰量を大きくする
先ほどの図の設定でシミュレーションしてみると…
おいおいなんだこりゃ
減衰の項目が25だと高すぎるかもね 剛性の数値よりも大きくなってるから変形しようとして変形しない状態でうごめいてる感じがするわ
ちなみにシミュレーションの値を変えたあとはもう一度再生して計算させないといけないようです。
減衰量を小さくする
ちょっとポリゴンのカクカクが目立ちますね。もう少し細分化します。
そしてもう少し薄くてふわんふわんと軽~い感じを目指します。
最終的に
もう少し垂れ下がってほしい…頂点の質量を大きくする
フワッとせずに垂れ下がってほしい…空気の粘性を小さくする
引張や曲げにそんなに抵抗しないでほしい…剛性の各値を小さくする
ということで
これくらいの数値に設定してやり直してみました。
おお、だいぶ近くなったじゃねえか!!
step6.最終調整
なあ、なんか今のままだとゴムっぽく見えるくね?
明るいところが白だからゴム感強いんじゃないかしら
・粗さを1.0に上げる
・サブサーフェスをもっと暗い色に設定し、強さを0.7に上げる
サブサーフェスの色をかなり暗くしたから深みが出た気がするわね 現実感を出すには暗い色の方が良いのかもね
不穏なカゲが映っている
布の中央の暗い影ってもしかしてワインか?
なぜか立方体に見えるわね ライティングかレンダリングか設定をいじれば直るかもしれないけどここは非表示にしちゃいましょ
ほぼ出来たな!やったぜ!
布の表現は「シミュレーション」と「シェーディング」の2つがとにかく大事ね
おまけ
step.4やstep.5の段階でいろいろいじってみたけれどもあまり効果なかった項目をご紹介します。
関係なさそうな項目をいじってみる① 伝播を1にする
伝播を1にしてみたぜw
私の大好きなハイチュウをうすくのばして布一枚にするとこんな感じのイメージかもね(伝わるかしら?)
関係なさそうな項目をいじってみる②クリアコートを1にする
クリアコートを1にしてみたぜw
分厚いツヤツヤのこういうマットあるわよね
関係なさそうな項目をいじってみる③速度の乗数を変える
速度の乗数…クロスシミュレーションの速度をコントロールします。
ここでは5に設定してみました。
おいおい!布がグラスを突き抜けちまったぜ!!
今回の目指した形にはそぐわなかったわね(汗)
いかがでしたでしょうか?それぞれの項目を理解して感覚をつかめばクロスシミュレーションの適切な設定値が見えてくることでしょう。
このページの情報は以上だよ!